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休職中の給料はどうなる?休職理由によって異なる手当・給付金のまとめ

けがや病気、あるいは出産や育児、介護などのために会社を休まざるを得ないときに心配なのが収入です。今回は休職中の給料は支給されるのか、休職中にはどんな手当や給付金がもらえるのかをまとめました。

目次

休職中の給料はどうなる?

休職とは「従業員が何らかの理由で働くことができなくなった場合に、会社が従業員に対して労働契約を維持しながら労働義務を一時的に免除すること」を指します。病気やけが、出産など、働くことのできない理由はさまざまですが、休職中に給料は支払われるのでしょうか?

会社員が休職する場合、無給となる場合が多い

法律上、会社が休職中の従業員に対して給料を支払う義務はないため、休職中は無給となることが一般的です。休職中の給料をはじめ、休職理由として認められるものや休める期間など、休職に関するルールは会社が任意に定めるものですので、勤め先の就業規則を確認しましょう。

休職中は給料の支払いがない一方で、健康保険や厚生年金の保険料は支払わなくてはなりません。もちろん生活費の心配もあります。貯金を取り崩して生活費や社会保険料の支払いに充てなければならないのでしょうか?

いいえ、その心配はありません。会社を休んでいる間に給与の支払いがない場合、健康保険や労災保険から手当や給付金を受け取ることができるのです。休職理由によって受け取れる手当や給付金の種類は異なりますが、休職前の給与の2/3程度をカバーできます。

公務員が休職する場合、一定期間給料が支払われる

公務員が業務外のけがや病気が原因で療養が必要となった場合、給与が全額保証される「病気休暇」を90日間取得できます。その後も1年間は給与の80%を受け取りながら休むことができます。休職から1年を経過すると無給となりますが、3年間は復職が可能ですので、公務員は民間企業の会社員より恵まれていると言えます。

病気やけがの療養で会社を休むときに受け取れるお金

まず、病気やけがの療養のために会社を休むときに受け取れるお金について解説します。病気やけがの原因が「業務外」の場合は健康保険から傷病手当金を、「業務上」の場合は労災保険から休業(補償)給付を受け取ることができます。

傷病手当金

傷病手当金は、業務外のけがや病気(私傷病)の療養のために会社を休むときに受け取れるお金です。病気にはうつなどの心の病気も含まれ、連続3日休んだ後4日目から最長1年半、日割りで休職前の給料(標準報酬月額)の2/3を受け取れます。申請には給与の支払いの有無について会社からの証明が必要になりますので、1ヶ月以上など休職期間が長期にわたる場合は、1ヶ月単位、給与の締日ごとに申請するのがおすすめです。

受給金額の基準となる標準報酬月額とは、健康保険や厚生年金の保険料を算出する際にも用いられるもので、健康保険の場合は第1級の5万8,000円から第50級の139万円までの50等級に区分されています。どの等級に区分されるかは毎年4月・5月・6月に支払われた賃金(基本給に通勤手当、残業手当などの各種手当を加えた月収)を元に決められ、大きな変動のない限りその年の9月から翌年8月まで適用されます。自分がどの等級に属するか知りたい場合は、給与から天引きされている健康保険料と加入している健康保険の保険料額表を照合してみましょう。

傷病手当金の概要
受給要件

以下のすべてを満たすこと

  • 業務外のけがや病気の療養のために休みが必要であること
  • 仕事ができない状態であること
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休むこと
  • 仕事を休んでいる間に給料の支払いがないこと
受給期間 支給開始日から1年6カ月
受給金額 支給開始前12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日*1 × 2/3*2×日数
  • 1…30日で割ったところで1の位を四捨五入
  • 2…2/3を掛けた金額に小数点があれば、小数点第1位を四捨五入
申請方法 傷病手当金支給申請書に必要事項を記入し、加入している健康保険に提出する
※原則、申請手続きは勤務先を経由して行う

なお、加入している健康保険によって傷病手当金の扱いも少しずつ異なりますので、自分の加入している健康保険のルールを確認してみてください。

健康保険の
種類
加入する人 傷病手当金の扱い
協会けんぽ 主に中小企業の会社員 前述のとおり
組合健保 主に大企業の会社員 前述の内容に加え、付加給付を受けられる場合がある
共済組合 公務員 受給金額の計算方法が「÷30日」ではなく「÷20日」
国民健康保険 自営業者や未就業者 傷病手当金がない(給与取得者であることが前提のため)

自営業者やフリーランスの方が加入する国民健康保険には傷病手当金そのものがないため、病気やけがのリスクには民間の医療保険に加入するなどして自分で備える必要があります。医療保険の選び方についてはこちらの記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

休業(補償)給付

休業(保障)給付は、通勤中や業務上のけがや病気の療養のために会社を休むときに受け取れるお金です。通勤中の事故(通勤災害)が原因の場合は休業給付、業務上の事故(業務災害)が原因の場合は休業補償給付と呼びます。

療養開始から1年半、休業(補償)給付と休業特別支給金を合わせて、休職前の給与の80%を受け取れます。1年半を経過してもなお療養が必要な場合や、障害が残ってしまった場合は、傷病(補償)年金を受け取れます。

なお、休業(保障)給付には、傷病手当金と同じく3日間の待機期間がありますが、この3日間は業務災害の場合に限り、会社から労働基準法の規定に基づく休業補償が支払われます。法律上、休業補償の金額は1日あたり平均賃金の60%以上とされていますが、実際には100%支払われることが多いようです。

休業給付・休業補償給付の概要
受給要件

以下のすべてを満たすこと

  • 通勤中や業務上のけがや病気の療養のために休みが必要であること
  • 仕事ができない状態であること
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休むこと
  • 仕事を休んでいる間に給料の支払いがないこと
受給期間 療養開始から1年6ヶ月
受給金額 休業(補償)給付=給付基礎日額*×60%×日数
休業特別支給金=給付基礎日額*×20%×日数
  • 給付基礎日額…事故発生日または診断日の直前3ヶ月間に支払われた給与の総額(ボーナスを除く)をその期間の暦日数で割った金額
申請方法 休業(補償)給付支給申請書に必要事項を記入し、所管の労働基準監督署に提出
※原則、申請手続きは勤務先を経由して行う

出産や育児で会社を休むときに受け取れるお金

次に、出産や育児のために会社を休むときに受け取れるお金について解説します。

出産手当金

出産手当金は、出産のために産前・産後休暇(産休)を取得するときに健康保険から受け取れるお金です。出産日以前の42日から出産翌日以降56日目まで、日割りで休職前の給料の2/3を受け取れます。

妊娠中には思わぬトラブルもつきものです。妊娠悪阻(つわり)*や切迫早産、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの治療のために産休前に休まなければならなくなった場合には、傷病手当金を受け取ります。その後、そのまま出産手当金を受給できる期間に入れば、出産手当金を受け取ります。原則、傷病手当金と出産手当金の両方を受給することはできませんが、出産手当金が傷病手当金よりも少ない場合には、傷病手当金を請求することでその差額を受け取ることができます。

  • 妊娠悪阻…医師の診断書があれば、自宅療養の場合でも傷病手当金の対象となります。
出産手当金の概要
受給要件

以下のすべてを満たすこと

  • 出産のために休みが必要であること
  • 仕事を休んでいる間に給料の支払いがないこと
受給期間 出産日*1以前42日(6週間)*2から、出産の翌日以後56日目(8週間)まで
  • 1…出産予定日より出産が遅れた場合は出産予定日
  • 2…多胎妊娠の場合は98日(14週間)
受給金額 支給開始前12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日*1× 2/3*2×日数
  • 1…30日で割ったところで1の位を四捨五入
  • 2…2/3を掛けた金額に小数点があれば、小数点第1位を四捨五入
申請方法 健康保険出産手当金支給申請書に必要事項を記入し、加入している健康保険に提出する
※原則、申請手続きは勤務先を経由して行う

また、出産を機に退職する場合も、以下の条件を満たしていれば出産手当金を受け取ることができます。

  • 被保険者の資格喪失の前日(退職日)までに被保険者期間が継続して1年以上あること
  • 被保険者の資格喪失の前日(退職日)の時点で出産手当金を受け取っているか、受け取る要件を満たしていること

さらに、出産手当金を受け取っている間は社会保険料(健康保険や年金)の支払いが免除されます。給与の約15%を占める社会保険料の負担がなくなるのは、家計にとって大きな助けとなります。

育児休業給付金

育児休業給付金は、生まれた子どもの世話のために育児休業(育休)を取得するときに雇用保険から受け取れるお金です。女性は産休を取得後、そのまま育休を取得するのが一般的ですが、最近は男性の育休取得も当たり前になりつつあり、育児休業給付金は男女関係なく受け取れます。

また、出産手当金と同じく、育児休業給付金を受け取っている間も社会保険料の納付が免除されます。ただし、職場に復帰することを前提とした制度のため、休職時点で退職が決まっている場合には対象外となりますので注意しましょう。

育児休業給付金を受け取れるのは子どもが1歳になるまででしたが、「保育施設に入れなかった」などの事情がある場合は、申請を行うことで最長2歳になるまで延長が認められています。厳密に言うと、法律上は誕生日の前日に年を取るため、受給できる期間は1歳(2歳)の誕生日の前々日まで。受け取れる金額は最初の180日間は休職前の給料の67%、181日目以降は50%となっています。

育児休業給付金の概要
受給要件

以下のすべてを満たすこと

  • 育児休業開始前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あること
  • 仕事を休んでいる間に十分な給料(休職前の80%以上)の支払いがないこと
  • 支給単位期間(1ヶ月)の間に働いている日数が10日以下であること
  • 復職予定であること(育児休業を取得した時点で退職が決まっている場合は対象外)
受給期間 育児休業開始日*1から子どもの1歳*2の誕生日の前々日まで
  • 1…男性の場合は出産当日、女性の場合は出産日から58日目(出産手当金の受給期間が明けた後)
  • 2…保育施設に預けることができないなどの事情がある場合は最長2歳(要延長申請)
受給金額 休業開始前6ヶ月間の賃金日額*1×67%*2×日数
  • 1…休業開始前6ヶ月間に支払われた給与の総額(ボーナスを除く)を180日で割った金額
  • 2…育児休業開始から181日目以降は50%
申請方法

原則2ヶ月に1回、勤務先の所在地を管轄するハローワークに下記の必要書類を持参する

<初回>
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認表・(初回)育児休業給付金支給申請書
  • 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど、賃金の支払状況を確認できる書類
  • 母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類
<2回目以降>
  • 育児休業給付支給申請書
  • 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど、賃金の支払状況を確認できる書類
※原則、申請手続きは勤務先を経由して行う

なお、育児休業給付金には上限額と下限額があります。

育児休業給付金の上限額と下限額 
※2020年6月現在(毎年8月1日に見直されます)
上限額 下限額
賃金月額 45万4,200円 7万5,000円
受給額 育児休業開始から180日間
(賃金月額×67%)
30万4,314円 5万250円
育児休業開始から181日目以降
(賃金月額×50%)
22万7,100円 3万7,500円
  • 出典:ハローワークインターネットサービス|雇用継続給付より作成

また、育児休業中に会社から給料が支払われている場合、給料と育児休業給付金の合計額が「賃金日額×80%」を超えると、超過した分だけ育児休業給付金も減額されます。育児休業中も週に何日かは出社して、その分の給料をもらっている場合などは注意しましょう。

そのほかにも妊娠・出産時には「出産育児一時金」などがさまざまな支援制度が用意されています。詳しくはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。

家族の介護で会社を休むときに受け取れるお金

最後に、家族の介護のために会社を休むときに受け取れるお金について解説します。

介護休業給付金

介護休業給付金は、常時介護を必要とする家族ために介護休業を取得するときに受け取れるお金です。介護休業給付金と育児休業給付金は同じ雇用保険における雇用継続給付の一種なので、受給要件や受給金額がよく似ています。

受給金額は育児休業給付金と同じく休職前の給料の67%ですが、介護休業給付金には社会保険料の免除制度はありません。また、介護休業給付金を受け取れる期間は1度の介護休業で最長93日間ですが、介護対象となる同じ家族に対して最大3回まで申請することができます。

介護休業給付金の概要
受給要件

以下のすべてを満たすこと

  • 介護休業開始前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あること
  • 仕事を休んでいる間に十分な給料(休職前の80%以上)の支払いがないこと
  • 支給単位期間(1ヶ月)の間に働いている日数が10日以下であること
  • 復職予定であること(介護休業を取得した時点で退職が決まっている場合は対象外)
対象となる介護休業

以下の両方を満たすこと

  • 家族*1がけがや病気、身体的・精神的な障害のために、2週間以上常時介護が必要であること
  • 被保険者自身が介護休業の開始日と終了日を会社に申請した上で取得した休業であること
  • 1…配偶者(内縁を含む)、父母、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、子、孫
受給期間 介護対象となる同じ家族について93日(約3ヶ月)を限度に3回まで
受給金額 休業開始前6ヶ月間の賃金日額*1×67%×日数
  • 1…休業開始前6ヶ月間に支払われた給与の総額(ボーナスを除く)を180日で割った金額
申請方法

勤務先の所在地を管轄するハローワークに下記の必要書類を持参する

<初回>
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど、賃金の支払状況を確認できる書類
<2回目以降>
  • 介護休業給付金支給申請書
  • 被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
  • 住民票記載事項証明書など、介護対象家族の方の氏名、申請者本人との続柄、性別、生年月日などを確認できる書類
  • 出勤簿、タイムカードなど、介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の休業日数の実績を確認できる書類
  • 賃金台帳など、賃金の支払状況を確認できる書類
※原則、申請手続きは勤務先を経由して行う

なお、育児休業給付金と同じく、介護休業給付金にも上限額と下限額があります。

介護休業給付金の上限額と下限額 
※2020年6月現在(毎年8月1日に見直されます)
上限額 下限額
賃金月額 49万9,800円 7万5,000円
受給額
(賃金月額×67%)
33万4,866円 5万250円
  • 出典:ハローワークインターネットサービス|雇用継続給付より作成

また、これも育児休業給付金と同様ですが、介護休業中に会社から給料が支払われている場合、給料と介護休業給付金の合計額が「賃金日額×80%」を超えると、超過した分だけ介護休業給付金も減額されることがあります。

まとめ

けがや病気、出産、育児、介護と、さまざまな事情で会社を休まなくてはならなくなった場合にも、生活保障のためにさまざまな制度が整備されています。受給申請は原則会社を通じて行うことになりますので、手続きは会社の担当部署(人事部、総務部など)の方と相談しながら進めてください。

しかし、各種手当や給付金でカバーできるのは休職前の給与の2/3程度ですので、場合によっては貯金を取り崩して生活しなければならないかもしれません。こうしたリスクに備え、普段から計画的に貯蓄したり、保険に加入したりして備えておくことが重要です。

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