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財形貯蓄とは?どんな人に向いている?メリット・デメリットも解説!

2020/09/02

財形貯蓄は福利厚生の一環として会社に設けられている制度で、耳にしたことがあるという方も多いと思います。しかし、入社時にいつでも始められると聞き、なんとなくそのままにしていませんか?

この記事では、財形貯蓄の制度概要やメリット・デメリットについて解説します。貯蓄の方法はたくさんある中で、財形貯蓄に向いている人はどういった方なのでしょうか?財形貯蓄に興味がある方はこの記事を参考にしてみてください。

目次

財形貯蓄とは?

会社で設けている制度の一つとして、入社時に財形貯蓄について概要説明は受けたものの、制度の具体的な特徴などはご存知ない方も多いのではないでしょうか。まずは、財形貯蓄の基本的な制度内容についてご紹介します。

給料天引きにより自動的に貯金できる制度

財形貯蓄とは、正式には「勤労者財産形成貯蓄制度」と言い、企業の福利厚生の一環として導入されています。企業が制度を導入している場合に限り利用が可能で、2019年度の調査では35.2%の企業が導入*しています。

毎月の給料やボーナスから一定額が天引きされて自動的に貯金できる制度で、天引きされたお金は、提携する金融機関の定期預金や保険などに積み立てられます。なお、積み立てできる金融商品は、金融機関によって異なります。

また、財形貯蓄制度には一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の3種類があり、それぞれ利用目的に応じて使い分けられます。それぞれの制度について、順番にご紹介していきます。

一般財形貯蓄

一般財形貯蓄は利用目的が限定されない制度で、貯蓄したお金をどのような目的で利用しても構いません。車の購入旅行、結婚式引っ越し費用、出産費用、教育資金などさまざまな用途で利用できるのが特徴です。

給与天引きによる積立期間は原則3年以上というルールがあります。一方で、払い出しのタイミングや回数は基本的に自由で、積立開始時の年齢や契約の数にも制限がありません。ただし、払い出しのタイミングについては、企業の規程や契約する金融機関によっては積立開始から1年経過後、といったように個別の条件が設けられているケースがあるので、契約前に確認しておくと良いでしょう。

なお、一般財形貯蓄では預貯金の利息や投資信託などの配当金に20.315%の税金がかかります。住宅購入のための資金、老後の資金を貯めたいといった明確な貯蓄目的がある場合は、利子等が非課税になる財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄を利用すると良いでしょう。

一般財形貯蓄のイメージ図
一般財形貯蓄
財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄は、マイホームの購入やリフォームのための住宅資金形成を目的とする場合に利用できる制度です。通常、預貯金や投資などで得た利子等には税金がかかりますが、この制度を利用すれば元利合計550万円(財形年金貯蓄も利用している場合は両方の合計金額)までの利子等が非課税になる優遇を受けられます。

ただし、住宅資金以外の目的で払い戻しをした場合は、利子等の全額が課税対象となります。このとき、貯蓄商品が預貯金の場合は解約時にかかる利息と解約時からさかのぼって過去5年分の利息に対して20.315%が課税されます。保険などの商品では、差益について一時所得として課税されます。

契約の主なルールとして、積立期間は5年以上、契約時の年齢は55歳未満、1人1契約までという条件が設定されています。また、住宅資金として認められるためには、それぞれ以下の条件も満たしている必要があります。なお、引き出しのタイミングは住宅取得前後、回数は2回までと限られています。

建設・購入・リフォームするマイホームの条件

新築住宅を建設・購入する場合
  • 床面積が50㎡以上
  • 勤労者本人が住むこと(単身赴任の場合は家族が住む拠点となること)
中古住宅を購入する場合
  • 床面積が50㎡以上
  • 20年以内に建設された住宅(耐火構造を持つ場合は25年以内)または一定の耐震基準を満たす住宅
  • 勤労者本人が住むこと(単身赴任の場合は家族が住む拠点となること)
リフォームをする場合
  • リフォーム費用が75万円を超えること
  • 施工後の床面積が50㎡以上
  • リフォーム後の住宅に勤労者本人が住むこと
財形住宅貯蓄のイメージ図
財形住宅貯蓄
財形年金貯蓄

財形年金貯蓄は、老後の生活資金形成を目的とする場合に利用される制度です。貯蓄したお金は60歳以降に年金として受け取れます。積み立て時は利子等が非課税になる優遇を受けられ、年金として受け取る際にも元利合計550万円(財形住宅貯蓄も利用している場合は両方の合計金額。保険商品などの場合は払込額385万円)までの利子等には税金がかかりません。

財形年金貯蓄にも、積立期間が5年以上、契約時の年齢が55歳未満、1人1契約までといったルールが設定されています。受け取りについては注意が必要で、受け取れる期間は満60歳以降に5年以上20年以内(保険商品は終身受け取りができるものもある)とされており、一度に受け取ることができないようになっています。また、積み立てを終了した日から一定の措置期間が設定されている場合は、積み立て終了時からすぐに受け取れないことに留意しておきましょう。

なお、60歳に達していなくても途中解約することで積立金を引き出すことができますが、利子等が非課税になる優遇は適用されません。このとき、貯蓄商品が預貯金の場合は解約時にかかる利息と解約時からさかのぼって過去5年分の利息に対して20.315%が課税されます。保険などの商品では、差益について一時所得として課税されます。ただし、例外として災害や疾病などの理由で払い出す場合は非課税の対象となるケースがあります。

財形年金貯蓄のイメージ図(措置期間ありの場合)
財形年金貯蓄

一般・住宅・年金の比較表

一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の3制度について、対象者や利用目的などを項目別にまとめました。

一般財形貯蓄 財形住宅貯蓄 財形年金貯蓄
対象者 財形貯蓄制度が導入されている企業に雇用される労働者 財形貯蓄制度が導入されている企業に雇用される労働者のうち満55歳未満の人 財形貯蓄制度が導入されている企業に雇用される労働者のうち満55歳未満の人
利用目的 目的に制限なし 住宅購入・リフォームの資金形成 老後の年金資金形成
積立期間 原則3年以上 原則5年以上 原則5年以上
払い出しの
タイミング
特に条件なし(契約で1年経過後などの条件を設定する場合もあり) 住宅取得前後で2回まで 60歳以降に年金形式で受け取り
税金の優遇 なし 元利合計550万円*1までは利子等が非課税*3 元利合計550万円*2までは積立期間・受取期間ともに利子等が非課税*3
(保険商品の場合は払込総額385万円まで)
その他の優遇
  • 財形持家融資(財形住宅融資、財形持家転貸融資などの住宅ローン)を利用できる
  • 企業によっては給付金が支給される場合がある
対象の金融商品 定期預金、投資信託、国債・社債、貯蓄型生命保険・損害保険など
  • 1. 財形年金貯蓄と合算
  • 2. 財形住宅貯蓄と合算
  • 3. 払い出しが要件を満たしている場合

財形貯蓄は種類ごとに利用条件が異なりますが、積み立ての仕組み財形持家融資(住宅ローン)の利用条件、対象の金融商品などは共通しています。また、企業によっては従業員に財形貯蓄の利用を促進するため、給付金が支給される場合があります。

なお、財形住宅貯蓄において住宅購入やリフォーム以外の目的で払い出した場合、利子等が非課税にはなりませんでしたが、2017年4月から特例として災害や疾病などの理由でも非課税の対象として認められています*。従来は、財形年金貯蓄に限った特例でしたが、2020年8月現在では財形住宅貯蓄にも適用範囲が広げられました。

<コラム>公務員は財形貯蓄よりも共済貯金がおすすめ?

公務員には「共済貯金」という制度があり、毎月一定額貯金する場合、財形貯蓄よりも共済貯金で積み立てるほうがお得になるケースがあります。

共済貯金とは、勤務先の共済組合が組合員から集めた資金を独自で運用する貯金制度で、公務員ならではの貯蓄制度と言えます。積み立て方は、財形貯蓄と同じく給料やボーナスから天引きされる仕組みです。そのほかの貯金のルールは共済組合によって異なり、金利についても共済組合独自で設定されています。

金利は財形貯蓄よりも共済貯金のほうが有利な場合があるので、財形貯蓄を始める前に一度所属する団体の共済貯金の金利を確認しておくと良いでしょう。

財形貯蓄をはじめるメリットとは?

ここでは、制度をお得に利用できるように、財形貯蓄で積み立てるメリットをご紹介します。「貯金のハードルが低くなる」「住宅購入との相性が良い」「利息や配当金に税金がかからない」という3つについて順番に解説していきます。

貯金のハードルが低くなる

財形貯蓄のメリットは、給料・ボーナスからの天引きにより自動的に積み立てられるため、自分で貯金するよりも継続しやすくなります。また、積立金を払い出すときには会社や金融機関に対して申請手続きが必要です。手続きが面倒で払い出しにくいため、ついつい貯金を取り崩して使ってしまうということも避けられます。

例えば、給料から毎月1万円、ボーナスから年間6万円の積み立てを10年間続けた場合、元金だけで180万円になります。貯金が苦手で、自分でお金を貯めることにハードルの高さを感じる方でも、自動的にお金が貯まります。

住宅購入との相性が良い

財形住宅貯蓄を利用すると利子等が非課税になり、また利用者が事業主や住宅金融支援機構から比較的長期・低金利の住宅ローン融資(財形持家融資*)を受けられるため、住宅購入を検討している方にとっては相性が良い貯蓄の方法と言えます。

これらは、住宅購入時の頭金を準備する手段としても利用できます。住宅ローン融資を受ける上で、ぜひ準備しておきたいのが頭金です。頭金が多いほど住宅ローンの借入金額が減るため、支払う利子も減り、結果的に住宅購入にかかる全体の費用が抑えられます。

財形持家融資で借り入れできる上限は、財形貯蓄残高の10倍相当額で、最高で4,000万円までです。なおかつ、借入額が住宅購入額の90%相当額までと定められています。

*財形持家融資:財形住宅融資と財形持家転貸融資などの住宅ローンのこと。財形住宅融資は、貯蓄期間や貯蓄残高などの条件を満たしている場合利用できる制度で、住宅金融支援機構より直接融資を受ける仕組み。一方で、財形持家転貸融資は、勤労者退職金共済機構から勤め先の企業を通じて融資を受ける。企業によっては、財形持家転貸融資を行っていない場合があり、そういった勤労者は財形住宅融資を利用し住宅ローン融資を受けるのが一般的。

住宅ローンの返済額については、以下の記事のシミュレーションやテンプレートをぜひ参考にしてみてください。

利息や配当金に税金がかからない

預貯金の利息には原則20.315%の税金がかかりますが、財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄で積み立てる場合、一定の残高までは利息や配当金に対して非課税になる優遇が受けられます。優遇される残高は、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の元利合計額が550万円までで、その金額を超えた時点以降に発生する利子等に対して課税されます。

なお、保険商品で積み立てる場合の非課税上限額は、財形住宅貯蓄が払込金額550万円までで、財形年金貯蓄が払込金額385万円までとなっています。ちなみに、一般財形貯蓄はそもそも非課税の対象外です。

財形貯蓄で注意したいデメリットとは?

財形貯蓄で積み立てるときのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。貯金できるからと言って安易に始めるのではなく、ここで解説する注意点やデメリットを理解して始めると良いでしょう。「そもそも利率が低いので非課税メリットの恩恵が少ない」「転職先に財形貯蓄制度がない場合は継続できない」「金融商品によっては元本割れする」という3つについて解説します。

そもそも利率が低いので非課税メリットの恩恵が少ない

近年では、メガバンクの利率は普通預金が0.001%、定期預金でも0.002%と、超低金利時代と言われています。このように定期預金や保険商品の利率が低く、利子等の非課税メリットの恩恵が少ないことはデメリットと言えるでしょう。

こういった状況ではそもそも元金に対する利息が少なく、仮に年間100万円を利率0.002%の定期預金で積み立てたとしても利息は20円で、税制上非課税となる金額は4円です。現在の超低金利下においては非課税メリットと言っても積立金の約25万分の1程度にしかならず、大きな期待はできないと言えるでしょう。

転職先に財形貯蓄制度がない場合は継続できない

就職した会社で財形貯蓄の利用を開始し、その会社に在籍し続ける場合は問題ありませんが、転職する場合は転職先に財形貯蓄制度がなければ一定期間を超えると強制的に解約されます。これは、財形貯蓄を利用するには、所属する会社が財形貯蓄制度を導入していることが条件だからです。

解約になると残高が払い出され、財形住宅貯蓄または財形年金貯蓄で積み立てていた場合はどちらも目的外の引き出しに該当するため、利子等に対する非課税は適用外となります。ただし、財形貯蓄の引き継ぎは2年間の猶予期間があるため、退職後すぐに転職先が見つからなくても2年間はそのまま保持できます。

転職先に財形貯蓄制度が導入されていれば、新しい会社で所定の継続手続きを行うことで前職の貯蓄をそのまま移管できます。

金融商品によっては元本割れする

財形貯蓄で積み立てできる商品のうち、定期預金では元本割れしませんが、保険や投資信託の場合は元本割れする可能性があります。保険商品であれば積み立て開始から早期に解約した場合、投資信託商品であれば運用がうまくいかなかった場合などが挙げられます。

財形貯蓄で積み立てできる商品のラインナップは所属する会社によって異なりますが、定期預金以外の商品を選ぶ場合は元本割れの可能性について理解した上で選ぶようにしましょう。

財形貯蓄に向いている人とは?

財形貯蓄は自動的に積み立てできるので、貯金が苦手な方に向いている貯蓄方法と言えます。中でも、将来的にマイホーム購入を検討している、老後の生活資金を作っておきたい、といったライフイベントに備えたい方には、財形貯蓄の特徴が生かせるのでおすすめです。

将来マイホームを持ちたい

メリットでもご説明しましたが、財形貯蓄は財形持家融資を受けられ、かつ住宅購入費の頭金作りに利用しやすいため、将来マイホームを持ちたい方には向いている貯蓄方法と言えます。

例えば、積立金額を給料から1.5万円、年2回のボーナスから各6万円に設定した場合、10年間で元本だけで300万円が積み立てられます。財形持家融資を使えば、残高の10倍の住宅ローン融資を受けられるので、3,000万円まで借り入れできます。

<3,000万円の住宅を購入する場合の積立額と住宅ローン借入額・返済額の例>

●積立額
  • 給料:1.5万円(年間計18万円)
  • ボーナス(年2回):各6万円(年間計12万円)

→1年で30万円(元本のみ)
→10年で300万円(元本のみ)→頭金に

●住宅ローン借入額と返済額
  • 借入額2,700万円
  • 返済総額約3,030万円*
*条件:返済期間35年・金利0.67%(全期間固定で試算、2020年8月現在)・元利均等返済

このように財形貯蓄制度で自動的に貯蓄した資金を使って、頭金の資金集めに苦労せず、また金利が高いローンを無理に組まずに住宅購入できます。

住宅購入の頭金は購入費の10~20%程度が望ましく、3,000万円の住宅購入費の頭金目安は300万円~600万円となります。上記のように年間積立額が給料とボーナス合わせて30万円だと10年ほどで住宅購入費の10%程度は自動的に貯蓄できます。積み立てから10年後「住宅購入はまだ先で良い」「住宅ローンの返済総額をもっと下げたい」といった場合は、さらに頭金を貯蓄してからの借り入れでも良いでしょう。

なお、財形持家転貸融資で住宅ローンを借り入れる場合、勤め先が中小企業であれば最初の5年だけ金利が0.2%引き下げられる優遇措置があります。金利0.67%(2020年8月現在)から0.47%*になり、上記の3,000万円の住宅購入例の場合、返済総額が約30万円少なくなるため、中小企業にお勤めされている場合はぜひ活用すると良いでしょう。

住宅資金の計画について詳しくは以下の記事で解説しています。

老後のために年金資産を作っておきたい

財形年金貯蓄は、積立金を公的年金に上乗せして受け取れるので、老後の年金資金を作っておきたい方に向いている制度です。総務省の調査*1によると、高齢無職世帯の夫婦の生活費は月額平均で約27万円となっています。一方、公的年金で受け取れる金額は、夫が会社員、妻が専業主婦の世帯の場合で月額約20万円*2、そのほかの収入は約2万円*3です。つまり1ヶ月あたり約5万円が不足する計算となり、この不足を補う方法の一つとして財形年金貯蓄が活用できます。

<65歳から月々4万円受け取る場合の積立額と年金受取額の例>

●積立額
  • 給料:1.5万円(年間計18万円)
  • ボーナス(年2回):各6万円(年間計12万円)

→1年で30万円(元本のみ)
→20年で600万円(元本のみ)

●受取額(65歳から10年間受け取り)
  • 残高:600万円
  • 1年あたりの受取額:60万円
  • 1ヶ月あたりの受取額:5万円

夫婦の老後資金がいくら必要になるのか、どういった備えが必要になるのかといったことについて詳しくは以下の記事で解説しています。

まとめ

財形貯蓄とは企業が導入する財産形成支援制度で、従業員の給料やボーナスから一定額を天引きすることで、自動的に積み立てができる貯蓄制度です。一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の3つの種類があり、貯蓄の目的によって使い分けられます。住宅購入や老後の生活資金形成で利用する場合は、税制上の優遇が受けられます。中には、貯蓄の目的が特にない場合でも、貯金が苦手だからという理由で始める方もいます。

さまざまな貯蓄の手段がある中で財形貯蓄を選ぶ場合は、制度のメリットが活用でき、デメリットを理解して利用することが重要です。会社に財形貯蓄の制度があり、始めるべきかお悩みの方はファイナンシャル・プランナー(FP)に相談してみましょう。下記よりお気軽にお問い合わせください。

家計に関わるお金のこと、色々調べたけど
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